＊瞬恋＊

他愛もない会話で盛り上がってるときに日向くんがいきなり思い出したように、



「あっ!! ごめん、忘れてた!!!」

「ん? 」

「俺が話しかけたのは今日、琥珀が女の子に『一緒に帰ろう』って言われて、榊さんとは帰れないってことを伝えにきたんだ。」

「…あぁ、告白だよね?」

「うん、多分…」


モテるのは知ってるけど、なんか嫌。
そんなことを思ってたら、


「あのさ…今日、俺と帰らない?」

「え? でも…」

「お願いしますっっ!!」





「…うん、帰ろ?」





そんな、頼まれると思わなかった…
日向くんって、明るくてあたしなんかと全然違うなー…


そして、あたし逹は歩き出した。