*瞬恋*
「おはよう、莉宇。」
いやいやいや、そんなこと言ってる場合じゃなくて、なんでいるの?
朝、起きたら幼馴染み登場ってなんなんだ。
「昨日、このまま寝ちゃった~」
「は?」
「莉宇、そんな恐い顔したら、せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
…今、怒りを通り越して呆れています。かなり。
ってことは昨日、あたしは琥珀がいるのにも関わらず、寝てたってこと?
まぁ、ほとんど寝てないけど。
いや、そっちの方がおかしい。
起きてるのに気付かなかったのか…
榊 莉宇、人生最大の不覚…
「ってのは、嘘なんだけどね。」
は?
こいつ、あたしのこと陥れたいの?
それ以外に何があると。
「出てってください。」
そのひとことにつく。