*瞬恋*
「えー、なんで~? もうちょっと? ね?」
『ね?』じゃないよ。
この、馬鹿。
もう、時間ないんですけど。
「着替えるから。」
あたしは、そう言って脱ぎ始めた。
まぁ、正確には“脱ぐふり”だけど。
そしたら、慌てて出ていく、
はず…
って、あれ?
昔は、そっこー出ていったのに。
「莉宇のやることは、大体分かるよ?」
もー!!!!
なんだそれ!!
こっちは急いでるのに!!!!!!
「…変態」
あたしが、小さな声で呟いていたのが聞こえてたみたいで、
「莉宇ちゃんの方がね!!」
あのー、真面目に急いでるんですが。
「分かった。出ていかないならもう一生、喋らない。」
「やだ!!!! それだけはやめて下さい!!」
あたしがそう言うと、琥珀は必死で謝ってくる。
やっぱり、2年前となにも変わってない。
でも、そーゆーとこが好きだった。