*瞬恋*
莉宇side
……………………
「ごめん。帰る。」
大切な人に言われたのもあってこの場に2人きりでいられる自信がなかった。
あたしが弱かったから。
あたしは走って玄関に行き、素早く靴をはいた。
そうして陽輝の家をあとにした。
だけど、やっぱり足取りは重くて。
でも自然と自分の家に向かっていた。
「あれ? 莉宇ちゃん?」
陽輝の家からまだそんな遠くないところで陽輝の弟の明輝(あき)に会った。
「明輝… 陽輝のこと傷つけちゃった…」
「え? どーゆーこと?」
あたしはずっと俯いていた顔を上げると、明輝ともう1つ見たことある顔があった。
「「あ。」」
あたしと明輝の隣にいる見たことある顔の声が見事にハモった。