*瞬恋*
気づいたら家の前にいた。
時間を見るといつもより一本早い電車はすでに発車している時間。
「…早く起きた意味ないじゃん。」
あーあ、爽のせいでまた遅刻か。
明日どうしよう…
いつもの電車で、いーや。
なんか考えるのが嫌になってくる。
爽は大切な人だから、もう傷つけたくない。
……………………
そう思ってたのに、あたしは駄目すぎる。
電話なんか掛けちゃいけないのに。
思い出しちゃいけないのに。
やっと決心したのにこの後、バッタリ会ってしまうことは知るよしもない、あたしだった。