月の絆~最初で最後の運命のあなた~
あまりのはやさに、聖呀すら驚いた顔をしている。
「コーヒーとケーキセットを一つ。ケーキセットはコーヒーとチョコのケーキを頼む」
「まさか、あんたが女の分まで注文に来るとはな。だが、勝手に選ぶと女は怒るぞ?」
狼呀は鼻で笑った。
「余計なお世話だ。それに、彼女が自分で選んだんだよ」
「へえー、選ぶのが早いから、てっきりあんたが選んだのかとそれで……彼女が瑞季の騒いでた女か?」
「騒いでたって、何を?」
「あんたがお持ち帰りしてきたとか、彼女はフェロモン垂れ流しだとか、そんな感じにな」
たしかに、狼呀の前でも似たような事を言っていた。
しかし、聖呀は平気そうである。