月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「どうしたら、送らせてくれる?」
「さあね。それじゃあ、またね」
狼呀の頬をするりと撫で、あたしは車から離れた。
追ってくる気配はない。
自由を許してくれないような男だったら、初日で終わらせようと思ったのに残念。
別に送ってもらうのも悪くないだろうけど、今日はレンの家だけに知られたくなかった。
理由は分からないけど、狼呀とレンの二人の間には何かあるみたいだから。
次に会った時に、その事についてを何でも話してくれるという約束の質問にしようと思った。