月の絆~最初で最後の運命のあなた~
第四章 はじまりの音
[1]
お試し期間二日目。
狼呀は昨晩、マリアにメールを送っておいた。
『今日はありがとう。明日は、緑の多い場所にいかないか?』
そう送ると、数分もしないうちにメールが返ってきた。
『わかった』
絵文字も顔文字もない、素っ気ない文章だった。
しかし、狼呀は気に入っていたりする。
正直な話、マリアがギャル文字なんかを使ったり、こちらが理解できない言葉を使ってきたら、どうしようかと思っていたのだ。
だからこそ、マリアらしいメールに安心を覚えていた。