月の絆~最初で最後の運命のあなた~
『動きやすい服装で、昨日のステーキ屋の前に十時。お休み、よい夢を……。
狼呀』
返信なんて望んでいなかった。
ただの連絡のつもりだったメール。
携帯を閉じた狼呀は、タオルとボクサーパンツ、スウェットのズボンを手にシャワーを浴びにいった。
だから、気がついたのは寝る直前――。
アラームをセットしようと開いた携帯に、一通のメールが届いていた。
どうせ、どこかの店からのお知らせか、仲間の誰かからだろうと狼呀は思っていたから、狼呀はベットにごろりと寝転び、メールを開いた瞬間に勢いよく体を起こす。
メールの相手は――マリアだった。一気に胸の奥が熱くなる。
『楽しみにしています。あなたも、よい夢を……。
マリア』
狼呀は、すぐにそのメールを保護した。