月の絆~最初で最後の運命のあなた~
飽きもせず、朝から昨夜のメールを目覚めのコーヒーを飲みながら見ていると、呆れたようなため息が聞こえてきた。
「携帯見ながらニヤニヤして……気持ち悪いぞ」
「うるさい。お前に俺の気持ちは分からないさ」
「失礼だなぁー。オレだって、初めての子とのメールは楽しみだし、気をつかうし嬉しくもなる」
予想外な答えが返ってきて、長い付き合いの狼呀は驚いた。
「お前でも、そんな風に思うのか」
「狼……オレのことをなんだと思ってんだよ」
「まあ、あれだよ。チャラ男って奴かな」
「ひっでーな。なんだよ、それ」
瑞季は自分の分のコーヒーを入れると、狼呀の向かい側に座った。