月の絆~最初で最後の運命のあなた~
軽い関係は嫌いだし、一夜限りの相手はいらない。ずっと、一瞬で心が彼女だと認める相手を待っていた。
だから、好みのタイプや理想なんてものは考えたこともなかった。
「今日……ついさっき、ようやく出会えたんだが」
「どうせ、あんたの事だから、上手く声をかけられなかったんだろ?」
「いや、声はかけられた。ただ、少し」
問題があった。
狼呀は、言葉を飲み込んだ。なのに、瑞季は分かったように頷いている。
その顔に、狼呀は無性にむかついた。