月の絆~最初で最後の運命のあなた~




「病院に連れて行ったほうが」


「いいの。ありがとう……悪いけど、今日は帰って」


 彼が好きだし、こういう時こそ居てほしいけど、今は知られたくない。


 知られちゃいけない欲求が襲ってきている。


 一刻もはやく、一人にならないと叫び出してしまいそうだった。


「嘘だ」


 迷いないその声に、あたしは顔を上げた。




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