月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「マリア? 大丈夫かい?」
黙ってしまったからか、心配そうなレンの声が電話の向こうから聞こえてきた。
「だ、大丈夫。そんなことより、用って?」
「ああ、体調が優れないようならいいんだ」
「本当に大丈夫。もしかして、体調を気にかけてるって事は、血が必要なの?」
「まあ、そうなんだ……」
なんだか言いにくそうな様子に電話口で答えを待っていると、レンは改まった声で言った。