月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「ただの人間じゃ、人狼の女から守るのは無理だ。そしたら、横溝しかいないだろ? 人狼の男が相手じゃ五分五分だけど、人狼の女からなら百パーセント守れる」
狼呀は唸り声をあげた。
瑞季の言っていることは、認めたくはないが正しい。
「条件だしゃいいじゃんか。このさい、人狼と吸血鬼の因縁は忘れてさ。伴侶の安全が一番だろ?」
当たり前だ。
狼呀に、それ以上の願いはない。
渋々、ポケットから携帯電話を取り出して、マリアの携帯から拝借したレンの番号にかけた。
瑞季はコーヒーを口に運びながら、にやにやしている。
「はい、もしもし?」
レンは、すぐに電話に出た。