月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 半ば走ってエレベーターを飛び出し、自宅の鍵を引っ張り出す。


 部屋の中からマリアの匂いがする。


 安堵と不安の半々の気持ちで扉を開け、瑞季と共に駆け込む。


「マリア!」


 しかし、その先には虚しい静寂だけが広がっていた。




< 276 / 356 >

この作品をシェア

pagetop