月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「日光……平気なのね」
馬鹿げた質問に、エンジンをかけて車を走らせ始めたレンが大笑いした。
「そんなに笑うことないでしょ! 自分でも、馬鹿げた質問をしてるって、自覚してるんだから」
「悪かったよ。ごめん、ごめん」
レンは何度か咳払いをした。
「短時間なら問題ないけど、長時間は無理かな。紫外線アレルギーに近いんだ。今みたいに、マリアを外で待つくらいは平気。少し疲れるし、目の色素が薄いから眩しいけど、いきなり発火して灰になったりはしないよ」
「そう、迷信なのね? よかったら、他にも馬鹿馬鹿しい質問を吸血鬼の前でしなくていいように、教えてくれない?」
「そうだね。時間もあることだし……いいよ。まずは何が聞きたい?」
運転に気を配りながらも、レンは楽しげだ。