月の絆~最初で最後の運命のあなた~
あまりの感覚に、あたしは狼呀の背中に踵を押し付け、爆発した。
それ以外、言葉が見つからない。
呼吸が荒くて、心臓は今まで経験したことがないほど暴れまくっている。
頭の中は真っ白で、ただ啜る音があたしの耳に届いた。
ぼんやりと足の間に目を向けると、体を起こした狼呀は口元を手で拭い、見ているあたしに気づいてわざとその手を舐めた。
自分が今、どんなことをしたのかを明確に示すために。
とても得意気で、酷く卑猥な眼差しに、あたしは言葉を失った。
こんなのは、はじまりに過ぎない。
そう意識した途端に、狼呀は余裕のないざらついた声で宣言した。
「本当は……もっとゆっくりと進めたいんだが、無理そうだ」
そう言って、狼呀はベットから下りて、自分のジーンズのボタンを外した。