月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 狼呀はマリアを見つめながら、ゆっくりと引き、くすぐるように入れる。


 そんなことを繰り返しているうちに、マリアの中が変わり始めた。


 強ばっていた中が、狼呀の動きに合わせて収縮して、ついには中に引き込もうとするかのように強く締め付けはじめる。


 マリアの顔を見ると、ぎゅっと目を閉じて、片方の手首を口に押しつけて声を殺していた。


(ああ、頭がくらくらする)


 その光景は、狼呀を酷く欲情させた。


 痛みを与えていないと分かると、彼は抽挿をはやめた。


 それでも耐えようとするマリアもいいが、狼呀はこの行為で感じるマリアの声が聞きたかった。満月の影響だからという、一方的な行為だとは思いたくない。


 繋がったまま体を倒し、マリアの手首を掴んで口から離す。


 体を倒したことによって、角度の変わった接触に、マリアは息をのんだ。


「声を我慢しないでくれ。同じ気持ちで感じているのを聞きたい」


「で、でも恥ずかしい。隣に……」


「大丈夫だ。この部屋は、防音になってる。それに、今日は誰もいない」


 マリアは顔を赤くした。


 それと一緒に、中が締まって狼呀はにやりと笑った。


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