月の絆~最初で最後の運命のあなた~
意味がわからなくて見上げると、優しい瞳に情欲が浮かんでいた。
「すぐにする気がないなら、やめておけよ」
「どうして?」
撫でる手を止めることなく問いかけると、あたしの腰を撫でていた手が止まり、ぎゅっと握って抱き寄せた。
下半身が密着して、あたしは意味を知った。
あたしの腹部を固く起き上がったものが、存在を主張している。
「わ、わかった」
あたしは撫でる手を止めた。
一度、体を繋げたけど、まだ恥ずかしさはある。
でも、同じくらい好奇心もあって複雑な気分。
昨日は余裕がなかったから、次はあたしも堪能したい。
「まずは、汗を流すか」
そう言って、ベットから出て裸身をさらしたまま狼呀は浴室に歩いていった。
堂々とした歩き方と体に、あたしは枕に顔を埋めた。
なんで、彼はあんなに元気な訳?
あたしの手足は彼がもたらした快感の余韻で、ふにゃふにゃだっていうのに。