月の絆~最初で最後の運命のあなた~


[四]


 二度目の行為は、あたしの考えにたいする怒りをぶつけるようなものだった。


 だからといって、ただ苦しくて痛いものじゃない。まるで、一生忘れられないように、狼呀の存在を刻み付ける行為だ。


 肩と首に噛みつかれ、叩きつけられる下半身が奏でる音。


 首筋に感じる熱い吐息と流れる汗。


 
 初めてのときよりも、強い快感に震えながら一緒に力尽きると、二人でそのままベットに横になった。


 抱き締める腕は、まるであたしを捕らえる牢獄のようだったけど愛しくて、そのまま眠り込んだ。


 目覚めると隣では、狼呀が眉間にシワを寄せて寝ていた。


 どれくらい時間が経ったのか、この部屋に時計がなくてわからない。


 でも、もう行かなければならないのはわかる。


 狼呀の腕から抜け出すと、上掛けを胸に引き寄せてぼんやりと座っていた。


 狼呀が起きる前に出ていかなければならないけど、あと一分、あと五分くらい一緒にいたい。


 それどころか、ずっと一緒にいたい。


 無理な願いなのはわかっている。あたしの我が儘な思いが、狼呀を傷つけたということもわかってる。






 

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