月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 いつしか、あたしの本能にも火がついた。


 レンに血を吸われた影響が残っていたのかもしれない。熱くて、痺れる感覚が欲しくて、彼の舌にこたえる。


 角度を変えて、繰り返す口づけは、レンに咬まれた時よりも数倍すばらしい快楽を生み出した。


 相手が狼呀とか、恋人ではないとか、あたしの中にある理性や道徳心はどこかに消えてなくなった。


 狼呀の首に腕を回し、体を押しつける。


 固くて力強い彼の体は、服の上からでも熱く、息が荒くなった。


 Tシャツの下に両手を滑り込ませて胸を撫でると、信じられない音がする。


 彼は唸り声を上げたのだ。


 合わさった口の中にも響き、押しつけた胸まで振動した気がした。


 それが、さらに欲求を強くする。


 人間が発する音じゃないと気にはなっていても、今の楽しい感覚を逃したくなくてあたしは激しい欲求に溺れた。


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