月の絆～最初で最後の運命のあなた～

第三章 お試し期間の申し込み

［1］



　お気に入りの携帯のメロディーが鳴っている。


　そんな好きなメロディも、いつまでも鳴り続けていれば苛立ってくる。


　せっかく夢も見ずに、珍しく気持ちよく眠れているのを邪魔され、いつもに増してあたしは不機嫌になった。


　またレンな訳？


　無視して電源を切ってやろうと、目を閉じたまま枕元に手を伸ばして失敗した。


　あれ？　おかしい。


　あたしは、いつだって携帯電話は枕元に置く。


　たとえ、どんなに酔っていたとしても。


　今度は反対側の枕元を探そうと手を伸ばした。