月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「そんな心配はしてないよ。言ったとしても、頭がおかしいって病院に入れられるのは君だよ。日本人が信じる訳がないからね。他の国よりも、吸血鬼や人狼、魔女なんてものに興味の薄い国……だからこそ住みやすいんだ」
「だからって、吸血鬼が集団でいたら目立つんじゃないの?」
「ただの芸能人だと思うさ。それに、吸血鬼は集団でいるのを嫌う傾向にある。さて、無駄話はこの辺にして、本当のところはどうなんだい?」
レンは隣の椅子に腰掛けると、ガーゼを弄るあたしの手を握った。
あまりの冷たさに、思わず震えてしまう
あたしが知ってるからか、レンはこうしたスキンシップを求めてくる。