女神の災難な休日


 お昼ごはんを食べたらやっと買い物に出発。

 雅坊のオムツと着替え、水筒に入れた麦茶、お尻拭きだけは忘れてはならない。赤ん坊を面倒みる上で最大の発明だと私は思っている、お尻ふき。すんごい便利!あ、そうだ、財布はあるけど中身がないのだった。私は体を起こして両手を打つ。

 行きにコンビニによってお金をおろしていかないと。

 予定を頭の中で組み立てながら、ついでに買い物メモも作成する。もうおせち料理などは作らないし頼まないからいいとして、普通にご飯の為の食材と切れている生活備品のストック分、それから、玄関先に飾る正月のものを・・・。

 今ではちょっと郊外にいけば、通路もベビーカーで余裕で通れるくらいの幅の大きなスーパーがあって便利だ。ほんと、いい時代に子供を産んだものよ、私ったら!そう色んなものに感謝しつつ、雅坊と二人でお昼ご飯を軽く食べる。

 この流れで行けば、車からスーパーではこの子は寝てくれているはずなのだ。保育園児で人見知りもあまりなく、外で号泣など滅多にしない子ではあるが、好奇心が大盛にてベビーカーで大人しくはしていてくれない。だから買い物などの時には出来るだけ眠っていて欲しいのだ。

 遊ばせて疲れさせるためにオモチャまでマザーバッグに詰め込んで、ようやく出発だ。

 玄関の鍵を閉めて、車まで息子を抱っこで運ぶ。デパ地下に勤めていていい所の一つにこれがある。腕の筋肉が普段から鍛えられること。お菓子持つよりは子供を抱っこするほうが実際は軽くもあるのだし。

「ぶっぶ~」

 雅が車を見て嬉しそうに手を叩く。



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