女神の災難な休日
・・・・・あああ・・・この匂いは。
いやーん、しちゃったのね。今このタイミングで・・・まあ、大人の都合なんて知ったこっちゃないのでしょうけどさ。それに、お昼ご飯も食べた後だから当然といえば当然のことで。
若干ガックリしながら、寝たままの雅坊をベビーシートから取り上げて後部座席に寝かせる。丁度車も停めてるし、ついでにオムツも替えてしまおう。そう考えたら起きているときよりオムツ替えは簡単なはずだしね。
とりあえず寒いからと自分の体も後ろの座席に詰め込んで、ドアを閉める。エンジンをかけて暖房をつけたままで、後ろの座席に寝かせた息子のオムツを替えようとしていたのだ。
だから、私の周りには新しいオムツやマザーバックやそこから出したお尻拭きやビニール袋などが散らばっていて、前はちっとも見てなかった。
それに勿論、ちょっと停めた地味~なコンビニの駐車場でこんなことが起こるだなんて予想してない。
だけど、世の中は予想だにしないことが結構頻繁に起こるのだって、今までの自分の体験を元にしていたら判ったはずだったのだ。
だけどだけど、まさかでしょ。
いきなりバタン!と開いた運転席。
音に驚いて屈み込んでいた顔を上げた私の目にうつったのは、そこに転がり込んできた一人の男。
え?とか、は?とか、言ってる暇はなかった。
何故か知らないがいきなり我が家の車に飛び込んできたその男(推定、だけどさ。もしかしたら女かも)は、ぐいーんとアクセルを踏み込んだ。
当然、車は急発進する。
「うひゃあああっ!?」