優しいキス
「クリスマスイブに合コンとかなに?」
「私は人数合わせだもん。会費は友達持ちだしテキトーに帰るよ」
冷蔵庫からビールの追加を出す彼の背中にそう答えると。
テーブルの上に置かれた飲みかけのビールを飲み干した。
そういえば。
彼はクリスマス、どうするんだろう。
さっきも聞いたけど、毎年はぐらかされて。
気づけば大晦日、次会うと年明け。
結局わからないままだ。
「ねぇ、明日…どうするの?」
コタツに戻ってきた彼に。
私はもう一度聞いてみた。
私の記憶が確かなら。
彼には彼女がいたはずだ。
すると彼は。
「…家で飲んでる」
たぶん、と付け加えて。
気まずそうに答えた。