優しいキス
10年来の友達。
なのに浮わついた話を聞いたことがない。
よし、これは聞くべきでしょう!!
程よくまわったアルコールに背中を押され。
私はテーブルの上のビールを彼に手渡した。
「ついでだから恋バナしようよ!!」
「ついでにすんな」
「じゃあ…酒のつまみ?」
「お通しにもなんねぇよ」
ため息を吐いた彼だったけど。
そんなのは無視。
飲みかけのビールに手を伸ばす。
もうこの際だ。
今さらだし、全てを暴露してしまおう。
アルコールで勢いづいてきた私は。
角を挟んで隣に座る彼と目を合わせた。
「私は、中学の時あんたが好きだった」
そう。
彼は私の初恋の相手なのだ。