『キミと一緒に』
「翔ちゃぁぁん!たっだいまー!・・・・・・ってあれーっ?!女の子っ?!」
「え、えっと・・・・・・」
目を丸くしながら近づいてくる彼は、きれいに染まった金髪に右耳のピアス、着崩された制服、
第一印象、チャラい
「翔ちゃん!ちょっと起きてよ!女の子、女の子がいるよ!」
彼が大きな声で寝ている男子生徒に話し掛けると
「・・・んー・・・うるさいなあ、もう」
『翔ちゃん』と呼ばれる彼は目を擦り、うーん、と背伸びをしてこちらを向いた
「っ───!」
目が合った───
その瞬間、胸がドクンと波を打ったのがわかった
この人、知ってる・・・・・・!
この5日間、また逢えないかなと密かに期待した、
桜の舞う庭で逢った彼だった
彼から目を離せなくなってじっとしていると、彼もしばらく私を見てから
「あ・・・キミ・・・」とつぶやいた