『キミと一緒に』
聞こえた声は消えることを知らず、甘く低く、脳に響く───
ザッ、ザッと歩く音が耳に入り、ハッとした時にはその人は私の目の前にいた。
「どうしたの?入り口なら、あっちだよ」
「え?あ、あの・・・・・・」
後ろを指差す先輩の表情は変わることなく柔らかい笑顔で
「偶然、ここを見つけて・・・・・・」
「そっか、いいよね、ココ。俺の大好きな場所」
そういってその人はまたふと空を見上げた
一体この人は、今何を想っているんだろう───
初めて逢う私には、わかるはずもない
「・・・・・・あっ」
その人は私をみて、何かに気付いたのか
「・・・・・・えっ?!あ、あのっ!」
整いすぎたきれいな顔が近付き、目線が同じ高さになる