*.遠い恋.*
俺は、あの子が目の前を通る家もしれないと思い、ずっとその場で待っていた。
でも、あの子は現れなかった。

「どこ行ったんだ?」

胸がザワザワする。

結局、俺はあの子を待つのを諦めて、歩き出した。

「はぁぁぁぁ…」

ため息をつきながら歩いていると、誰かが、桜の木の下のベンチに座っていた。
よく見てみると、

(さっきの子に似てる。)

髪は結構短かった。
俺はそれだけ覚えていて、しかも、座っている様子を見るだけで様子がおかしいとすぐに分かった。

俺はそのベンチに向かった。

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