*.遠い恋.*
「あの…ありがとうございました。」

私はその人にお礼をした。
彼のおかげでスッキリしたし、気持ちが軽くなった。
だから、ちゃんとお礼をしたかった。

『こちらこそ、こんな俺に話してくれてありがとう。』

その人にそう言われた時、一瞬胸が“ドキッ”となった。


こんなに優しくしてくれるなんて…



『自己紹介、遅れたけど、俺、赤松潤椰。よろしく。』
「あっ…大塚、佑衣、です。よろしく…お願い、します。」

私が緊張しながら自分の名前を言ったら、赤松さんはニコッと笑い、『そんなに緊張しなくても大丈夫だよ』と言ってくれた。

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