* 竜の眠る国 *
「ユウナ」
「カイン……?」
呼び声に答えると、伸ばした手を掴まれた。
その感触に、頭が覚めてくる―――
「気付いたか」
声に、瞳を開くと。
銀糸の髪と、海より深い青の瞳があった。
「……えっ」
手は掴まれたまま。
この現状に、しばし思考が停止・・・・・
え、っと……私、またここへ逆戻り…?
「気分はどうだ?」
この世界に来てから、ずっと彼の瞳は私を映していて。
なのに……
いつまでも慣れない、真っ直ぐな青い瞳。
.