* 竜の眠る国 *




「そういえば……お祖母様が呼んでたよ」

「えっ?!」


 何でそれを早く言わないのよ…!



 私の焦りを見てカインは笑いを堪えて、


「俺を怒る前に早く会いに行くべきだよ。

 もしかしたらすでに遅いかもしれないけどね」



 クスクス笑うカインに腹が立つ。
 でも、彼の言ってることがあながち間違いでもないから、私は無言で彼にクッションを投げつけそのままお祖母様の部屋へと急いだ。

 後ろからは、カインの楽しそうな笑い声が聞こえてる。



 ……後で覚えてらっしゃい。










 階段を駆け上がり、ドアの前で深呼吸する。



 ……よし!





< 12 / 287 >

この作品をシェア

pagetop