* 竜の眠る国 *




コンコン

「お祖母様、失礼します」


カチャ…



 ゆっくりドアノブを回しドアを開けると。

 優しい日差しの中、お祖母様が私を見ていた。




「ユウナ、16歳のお誕生日おめでとう」



「ありがとうございます。お祖母様」




 ……ドキドキする。



 お祖母様は貴族の血を引いているからか、その姿はいつも美しくて。

 レディーとは、生まれながらの高貴な血筋も必要なんだと思うのよね。






 姿勢正しく座っていたお祖母様が、金の装飾が施してある杖をつき立ち上がった。


 私はそれを黙ってみていた。




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