* 竜の眠る国 *
*5*
熱い………
『ユウナ……
体痛い? 大丈夫?』
泣きそうな顔のカイン。
私はゆっくり瞳を開くと、苦しいけど笑顔を作った。
『だ、いじょうぶ……
うつる、から……カインはあっち、行って…』
私の手を握ってカインは何度も顔を振る。
見かねたママがカインを半ば強引に部屋から連れ出すけど……
夜中には私のベッドに潜り込んでくるの。
『カイン、本当にうつるよ…?』
『しっ パパ達にバレる。
……うつってもいいよ。
ユウナが辛いなら、僕が代わりに風邪を貰うよ』
泣きそうな顔のカインに、私はそれ以上何も言えず、“ありがとう”の代わりにカインの手を握った。
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