* 竜の眠る国 *
「16歳になったあなたへの贈り物です」
そう言って、手にした小さな箱をテーブルに置き、またソファーに座った。
「……開けてもいい?」
「ええ。それはもうあなたの物よ」
ドキドキしながら赤い箱を開けると、美しく光るネックレスが入っていた。
「――きれい!」
溜まらず手に取りじっくり見る。
それは、大きなアメジストのネックレスだった。
「素敵だわ!
お祖母様、ありがとうございます……!」
興奮気味の私に、お祖母様は嬉しそうに微笑んでいた。
大きなアメジストを涙型にカットした印象的な美しいネックレスに、私は早くも大人になれたのだと実感した。
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