* 竜の眠る国 *
「あなたの瞳はお母様に似て美しい紫。瞳に合わせて紫水晶にしました。
アメジストは魔除けの石でもあります。
いつも身に付けなさい。あなたを守ってくれるわ」
ニッコリ微笑んだお祖母様は、いつもと違って優しい雰囲気で。
私も笑顔を返した。
「――ところで。
ここまでお母様の怒鳴り声が聞こえてきたのだけど。
ユウナ、あなたまさか、16歳にもなって庭でうたた寝なんてするはずないわよね…?」
さっきまでの柔らかい雰囲気から一変。ピリピリし始めた空気。
「えっと…」
「16歳といったら、レディーの仲間入りですよ?
いつまでも子供のようにいるのは関心しませんね。
誰に見せても恥ずかしくないように、家庭教育をしていきましょう」
ふぅ、と溜息を吐き淡々と話を進めるお祖母様に、私は青ざめた。
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