* 竜の眠る国 *




「? やはり熱が…」

「だっ 大丈夫…!少し疲れただけ」



 ―――慌てる私の体がフワリ宙に浮き、言葉が途切れた。

 目の前のユリアンは目を見開いた後、すぐさま膝を着く。



「お戻りでしたか」

「ああ。いま戻った。
 何か変わりはなかったか?」

「はい。今は大きな動きは…」



 頭上の声に慌てて見上げると、銀糸の髪が視界に入った。




「こんな場所で何をしてる?」



 私の視線に気付いたのか、スッと青い瞳が私を映し出し、慌てて顔を背けた。



「彼女はマーサに連れられ庭に」

「マーサ…?だがマーサがいない。

 一人で庭にいたのか?」



 チラリとユリアンに目を向ける彼。
 その視線に気付いたユリアンは、少し気まずそう。




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