* 竜の眠る国 *






 もう、何日だろう………。




 この世界に来てからずっと見ていた青い瞳、銀糸の髪に触れていないのは――――……







「おい、出ろ」



 ガチャンと激しい音と共に鉄格子が開いた。


 簡素なベッドに横たわる私を呼ぶ声は、知らない人の声で。





「早くしろ」



 この世界に来た時に着ていた白のワンピースは、泥だらけ。

 軽くはたき、兵士に言われるまま牢から出た。



 カツン、カツンと足音をたて石の廊下を抜けると、外に出る扉が出てきた。

 兵士は慣れた様子で腰につけた鍵を差し込む。


 ガ、チャンと鍵が開いた音の後、ギギ―…と扉が開いた。


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