* 竜の眠る国 *






 真っ直ぐな瞳で話す彼の言葉に、私はゆっくり頭の中で繰り返した。



“鍵”……?





「これは、神官でさえも閲覧できない、国王になった者のみ閲覧できる、“神の御告げ”という書物に書かれていた、預言だ。


 君のことについて書かれていた」



 言われて、胸元のアメジストに、無意識に手を当てていた。




「君は、鍵を持ってるか?」




 彼の声が、だんだん小さくなっていく。







 ……鍵。



 それは、元の世界に落として今は持っていない―――…








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