* 竜の眠る国 *





“鍵”………



 あれは、開かずの部屋に置いたまま。


 多分、私を捜しに来たカインが拾ったはず。





 鍵がないなら……


 私は、帰れない―――…






「………」





 私は、泣いていた。



 この世界から、私は帰れない。







「ユウナ…」


 彼の胸で泣く私を、彼は優しく抱き締め、頭を撫でてくれる。


 それでも、私の涙は止まらない。




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