* 竜の眠る国 *
この世界に、私は一人で生きて行かなくてはいけないの……?
「カイン…」
―――助けて欲しい。
そばにいて欲しい。
いつものように、意地悪く笑ったあなたの顔で、安心したい。
私の頭を撫でる彼の手が止まり、私はゆっくり顔を上げた。
青い瞳が私を映し出し、瞬間―――胸は早鐘を打つ。
「必ず元の世界に帰してやるから……
泣くな」
優しく目元を撫でるシオンの指に、気持ちは落ち着いてくる。
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