＊ 竜の眠る国 ＊
扉を開けると、そこには何も無かった。
さっきまで家具が揺れる音が聞こえていたはずなのに……どうして？
途端に気持ち悪くなり部屋を後にしようと翻した―――けど
ガタンッ
一際大きい音に、体をビクリと跳ねらせ、慌てて振り向く。
そこには、さっきまで気づかなかった物があった。
ゆっくり近付き、床にある“物”を見る。
……これは何……？
床には、シルバーの鍵が落ちていた。
迷いながらも私はそれを拾ってみた。
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