* 竜の眠る国 *
*7*
寂しくて、辛くて、
涙が止まらない……
「ヒック……ッ…」
見渡す限りの緑。
木漏れ日が、綺麗な光の線になって、行き先を照らしてくれる………。
『ユウナ……大丈夫…?』
「……大丈夫よ。ありがとう」
―――頭に響く声。
白い馬に角が生えた年若いユニコーンが、時折心配そうに私を見る。
そんな彼、エルクに跨り、森を駆け抜けていく。
城を出た時は真夜中で、今は日は登りきり、きっとお昼は過ぎてる時間。
………彼はもう、気付いたかな。
私が居ないことに。
.