* 竜の眠る国 *
「エルク…」
『シッ 少し静かに』
エルクは何かを感じたのか、耳をピンと立てある一カ所をジッと見つめた。
私は怖くなりそっと彼に寄り添う。
『……ずっとボク達をついてる者がいたんだ。
ヤツが……来る』
―――追っ手?!
まさかっ
「エルク…!」
『出てくるがいい……
月光よ、我が命ずる!
暗き闇を照らせ…!』
慌てて彼を止めようとしたけど、エルクが叫ぶと同時に、額にある角が光った。
その光は、月明かりのような青い光で。
それでも、近くで見るソレは、神々しいまでに眩い光だった。
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