* 竜の眠る国 *
『姿を現せ…!』
先ほどより更に眩しくなる光に、私はギュッと目を閉じ顔をエルクの体に隠した。
すると、しばらくして、小枝を踏む音がした。
ゆっくり顔を上げるとすでに光はなく、目の前には―――…
「――ユリアン!」
彼の姿が。
なぜ彼が……?
「あなた、何で…」
「……君が城を出るのを見つけた。
連れ戻そうとしたが――」
言って、チラリと私の隣を見た。
エルクは彼の言いたいことが分かったのか、クスクス笑っている。
「? ……何が可笑しいの?」
『いや、すまない。
彼はボクに手出しできない。だから、大人しく着いてくるしかなかったんだ。
ユウナの事が心配だったから、……ね?』
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