* 竜の眠る国 *
*9*
冷たい………
「……ん…」
体中に広がる痛みと、熱。
けだるさに目を開けずにいると、額に冷たい何かが触れた。
ゆっくり目を開くと―――
「気付いたか」
美しい銀糸の髪が瞳に飛び込んできた。
「……ぁ…」
声が掠れて出ない。
その声に、シオンの表情が険しくなる。
「……すまない。君をこんな……」
悲痛な顔の彼に、霞がかった記憶がゆっくりと思い出された。
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