* 竜の眠る国 *





 ゆっくり、瞳を開いた。




 仰向けで横たわる私の視界には、青い空。

 鳥の鳴き声が響いてる。




 ………私……生きてるよね……?



 顔を横に向けると、思った通り、青青とした芝生に横たわっていた。


 そのまま伸ばしていた腕をたどり、自分の指をゆっくり動かす。



 ……大丈夫、ちゃんと動く。




 瞳を、指から空へまた移すと、雲一つ無い青空で。


 パーティーは夜だったはずなのに……

 私は一晩ここで過ごしていたのかな?



 風は心地よく、背中に当たる芝生の感触は、眠りを誘うには十分で……

 知らず知らずのうちに、また眠ってしまった。






“―――ユウナ…”




 遠くで、私を呼ぶ声が聞こえた。



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