* 竜の眠る国 *




 どうしよう………!


 地面から足が離れる…!?




『きゃあ!』



“―――ユウナ!”




 私の体が風に乗り、ふわりと宙に浮いた。

 そのままふわふわ漂うように、徐々に空へと舞い上がり。




“ユウナ…!”



 竜が私を掴まえようと追いかけてくるけど――


『ダメ! 危ないから来ちゃダメよ!』


 気流が乱れてるせいか、うまく飛べずにその差はひらくばかり。




“……………!”



 風のゴォォォオっという音のせいで、竜の声は聞こえない。


 私は、竜が心配で力いっぱい叫んだ。




『私は大丈夫よ!

 ちゃんと戻ってくるから待ってて!』


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