* 竜の眠る国 *
「吸って……吐いて――」
頭上からの声に従うと、だんだん呼吸が楽になってきた。
「すぅ………はぁぁぁぁぁ…………」
「もう大丈夫だ」
声に、疑問に思った。
この人……誰…?
ゆっくり顔を上げると、
「大丈夫か?」
横たわる私の目の前に、顔をのぞき込む男の人がいた。
その瞳の色に、目を見開く私を真っ直ぐ見る彼。
「わ、私…」
「水音がして来てみたら、君が溺れていた」
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